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初のミリタリー物
ベトナム戦争の時に、ベトナム周辺の高温多雨な気候に合わせて開発された熱帯地域対応型の戦闘服です。正式名称「コンバット トロピカル」と言うそうです。暑くてジメジメしたところで着用するためか、薄い素材でできています。
ワタクシ、身長180cm、体重78kgのガッチリ型体型ですが、ミディアム-レギュラーでちょうどいい感じです。ちなみにミディアムは身体の横方向、レギュラーは身体の縦方向の長さを表します。
そのディテール
上の写真のように、胸ポケットが斜めに付いています。物を取り出しやすくする工夫だそうです。
次に裾の辺りに付いているラベルをみてみます。
右上にRIP STOP(リップ ストップ)とあります。RIP(切り裂く、引き裂く)のをSTOP(止める)ということで、ある一部分が裂けたとしても、それが広がらないような加工がされた生地が使われています。
線状に補強糸が入っています。これによって裂けの拡大を防ぐわけですね。
DSA 100-70-C-0155
とあります。
これはコントラクト・ナンバーといって、アメリカの国防補給局による発注番号であり、DSA 100の後の2桁の数字が発注(からの製造)された年を表しています。つまりこの場合はDSA 100-70とあるので、1970年の発注(からの製造)ということになります。なんと今から47年も前になるんですねー(2017年現在)
ポケットのボタンは隠れるようになっています。
ボタンをとめると下の写真のようになります。
これはジャングルの中で、木の枝などにボタンが引っかからないための工夫だそうです。
さらにポケットの下の方のマチの部分には水抜き用の穴があいています。ジャングルといえば雨も多いですし、ポケットの中に水がたまらないようになっているんですね。
このジャケット、袖のボタンが何故か左右1個ずつ欠損していました。元の持ち主が邪魔だから無理矢理引きちぎったかのような状態です。
左肩にはアメリカ軍第101空挺師団のパッチが付いていました。これは後付けかもしれません。
戦場で生き延びるための様々な工夫がなされているジャングル・ファティーグ。機能美のかたまりですな。この個体も実際に兵士が着用していた物なので、あちこちに擦れや傷、油のようなシミがあります。色落ちもあいまって、なんだか凄味すら感じます。レプリカではない本物の迫力がありますね。
もちろん戦争はゴメンですが。