地球上で最も硬い物質だけど
ダイヤモンドと言えば美しいだけでなく、地球上で最も硬い物質として有名ですね。
でも、そんなダイヤモンドでもハンマーなどである一定の方向からたたくと簡単に割れてしまうことがあるのです!
これはどういう事なのでしょうか?
硬さの尺度、モース硬度
鉱物に対する硬度の尺度としてモース硬度というものがあります。
硬さの尺度として、1から10まであり、数字が大きくなるほど硬いわけです(旧モース硬度の場合。修正モース硬度では1から15)。それぞれの数字に対応する標準物質が設定されています。ダイヤモンドはモース硬度10であり、最も硬い物質です。
ただ、モース硬度というのは、「ある物質でひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「たたいて壊れるかどうか」の堅牢さではありません。モース硬度10のダイヤモンドは傷には超強いが、割れないわけではない、ということです。
劈開性(へきかいせい)
ダイヤモンドをはじめとする天然石には劈開性を持つものがあります。これは岩石や結晶の、特定の方向に割れやすいという性質のことを言います。劈開性は大まかに言って、「完全」、「明瞭」、「不明瞭」、「なし」に分類されます。
ダイヤモンドは「完全」な劈開性があり、正八面体の面に対して平行に割れます。この性質があるのであの硬いダイヤモンドの加工ができるんですね。
というわけで、硬いことで有名なダイヤモンドですが、割れてしまう事もあります。この記事を読んだからといって、実験と称してハンマーでぶっ叩いたりするなんてことは間違ってもしないように。ま、そんな人はいないと思いますが。